武田のメッセージ:『時代は後戻りしない - 大転換の時代へ』

 米中貿易摩擦、新型コロナ(COVID-19)に加え、昨年はプーチン大統領のウクライナ侵攻という思いもかけぬ事態がおきた。2023年に入って世界の激動は一層大きくなっている。 ただ、これは決して、世界の終わりを意味するのではない。逆に、新たな時代への幕開け、世界は大転換し、新たな流れを追いかけだしたと見るべきである。

 ショルツ独首相は、昨年224日のプーチン大統領による突然のウクライナ侵攻の3日後、ドイツ連邦議会で、この侵攻に対してのドイツ政府の固い決意をもった演説を行った。彼はこの演説のタイトルに「Zeitenwendeという言葉を使っている。「Zeitenwende」というドイツ語は本来西暦を意味する。つまり、キリスト生誕のそれまでの時代とは違う「新たな時代の到来」を意味している。

 日本では、まだこの見方は多くでていないが、米中あるいはEUのソートリーダーたちの間では、このような見方が主流になりつつある。また、この考え方のもとに、これらの国々の政策立案者は「大戦略」をたてつつある。「大戦略」は私たちが想像できないほど途方なものではない。それどころか、これまで私たちの歴史の中で目覚ましい成果を上げておきながら、その成果がもたらす繁栄の中で、その重要性の多くを看過してきたのが「サイエンス(いわゆる科学技術、先端技術、あるいはイノベーションのエコシステム作りを含む)」である。これらの国では、次の時代における繁栄を確実にするために、サイエンスを地政学の中核に置きだした。

 このサイエンスについての世界の大戦略、また日本の大戦略について共に考え、未来につなげていきたいと考えている。この大戦略について発信していきますのでご関心の程。

注:「大戦略」は、時々の戦略というだけではなく、国をあげて10年、20年というスパンで長期にわたって進めていく人づくり、国づくりでもある。