世界のグローバル情勢:AIxの本質 ー 人と知の融合「コンバージェンス」について

11月11日に新潟柏崎市に本社を置くブルボン製菓の関連企業経営者による響働の集いで話をしてきました。

テーマは企業の経営戦略に関わる「グローバ情勢について」でしたが、私は主に「目に見えない知のグローバル潮流について、AIxの必要性について」話をさせて頂いた。

今世界では、DXやGXを超える新たな変革――AIx(AIトランスフォーメーション)が起きている。

AIxとは、AIを単なるツールとして扱うのではなく、人間の“知の仲間”として組織や社会に取り入れることによりおきるトランスフォーメーションである。AIが文章を生成し、科学を深め、判断を支援するようになった現在、人間とAIが“仲間”として共に成長する新たな時代が到来している。

米国ではこの10年、AIxを軸にいわば「AI for Science(科学のためのAI)」という国家プロジェクトが進められ、数十の大学や多くの企業、そして政府が一体となって基礎研究や実装研究を加速させてきた。

 AIxの核心は、AIを“便利な道具”として使うことではなく、“人間の仲間”として人間自身も発展させることにある。これがもたらす新たな時代には、人はAIと共に考え、AIと共に創ることで知性の幅を広げる―それがAIがもたらす「コンバージェンス(融合)」である。

DXが「デジタルやクラウドがもたらす効率化の時代」なら、AIxは「新たな知を再構築する時代」である。既に世界の経営学者たちは、AIxを「世界のあらゆる組織を動かす新しい電気(ニュー・エレクトリシティ)」と呼び、経営や社会の根幹を変革させる潮流として注目し、積極的に導入戦略を立て始めている。 この大きな世界の潮流を我々は学び取り入れる必要がある。