日米の大学連携への道筋
安倍政権の初め2013年に文科省の参与に私は就任したが、日米の大学のトップ同士が繋がり連携する場が必要と常々考えており、2015年に「日米デジタルイノベーションハブ」というグラスルーツのプロジェクトを立ち上げた。これは日本の有志の大学と米国の有志の大学であるオハイオ州立大学、パデュー大学、メリーランド州立大学、ジョーンズホプキンズ大学等との間でデジタル化やCETに関する研究や教育の交流・協力を行うものである。日本のDX導入の加速につながるのではという思い入れがあった。
また、このような動きは時間がかかるだけに政府の補助金ということではなく、両国の大学が行うグラスルーツ的な動きでなければならない、という考えもあった。さらに、このような変革の時代には研究者レベルの集まりだけではなく、DXという新たな時代を導く大学の幹部を中心としたものでなければならないという思いもあった。2017年に文科省の参与を辞したがその後、武田アンド・アソシエイツの活動の一端に日米の大学を繋ぐためのプラットフォームづくりを付け加えている。
さすがに新型コロナウイルスの感染拡大の最中において、このハブ作りの活動を行うことはできなかったが、パンデミックがおさまるにつれて米国の大学からの要請もあり、2023年のG7デジタル大臣の会合が開かれた高崎で4月29日に第7回目となるワークショップを開くことになった。そのための準備の手伝いを行ってきたが日米の大学関係者との協議のうえ、これまでの名称「デジタルイノベーション」から「デジタルイノベーション・アンド・アドバンスドテクノロジー」に変更し、デジタルイノベーションだけでなく、CETの連携も取り上げることになった。
幸いにも多くの関係者の協力の下、高崎で開催された第7回ハブワークショップ会議は盛況だった。 嬉しかったのは、この後にメリーランド州立大学、パデュー州立大学、オハイオ州立大学の幹部方々から次回のハブワークショップを自分たちの大学で開催したいとの申し入れがあったことである。2024年の次回会合に向けて両国の大学関係方々と打合せを進めているところである。
武田修三郎 記