【宇宙開発利用戦略への一考察~最近の世界の動きと日本が強化すべきこと~】第66回(2023/9/4)無名塾開催 講師:中須賀 真一(東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻航空宇宙システム学講座 教授)

◆冒頭挨拶◆ 塾僕武田 

本日の講師、中須賀先生は、外務省欧州局の中村参事官からご紹介頂いた。本日、参事官はパリで開催されている国際法協会150周年の会合に出られているが、宇宙法のパネリストとして世界から招待された6名のうちのひとりである。 国際法協会は、国際法の世界最古の学会と聞いているが、まさしく“とんがった”専門性をもつ外交官だと思う。

中須賀先生は、宇宙機器システムや超小型衛星の研究では世界をリードし、また関係者が次々代わり細切れになりがちな日本の宇宙政策に一貫性を持たせてやられている方だと伺っていたが、実際お目にかかり話を伺うと、まったくその通りだと思う。

宇宙は探索すべき広大な空間だが、それ以上に、最近はサイバー空間と同じく、データの宝庫であり、経済発展をもたらす重要な空間と認識されだしている。新たな認識にあわせて、米、中、EU、インド等の宇宙政策は大きく転換しだしたが、日本はサイバーと同様に遅れをとっている状況である。

本日は、中須賀先生から宇宙政策における世界の現状、そして日本がとらなければならない課題について話をして頂く。

 ◆コメント 塾僕:武田

皆さんへのお願いは、中須賀先生の話を持ち帰って、いろいろ考える材料にしていただきたい。本日出席されている東北大学、筑波大学、名古屋大学、上智大学のほかに、広島大学、大阪大学、九州大学等の方々は、日米デジタル・イノベーション・アンド・アドバンストテクノロジーというかたちで、米国の大学と連携を進めてきている。 東北大の大野先生、筑波の永田先生、名大の杉山先生、上智の曄道先生は、それぞれ大学のトップ同士が直に話し合い、学びあってきた。宇宙についても間違いなく連携が必要なテーマであり、中須賀先生にもこの枠組みで活躍して頂きたいと考えている。

日本はだめだという話が多く出たが、その一方、最近は世界の中で、日本が大きく見直されている面もある。ぜひ、皆さん方の力で世界に誇れる日本の姿を取り戻してほしいと思う。

https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/people/people000178.html