<2023年4月>
『時代は後戻りしない - 大転換の新たな時代へ』
プーチン大統領のウクライナ侵攻という思いもかけぬ事態が2022年におきた。2023年に入って中国の動きもあり、世界の激動は一層大きくなっている。 ただ、これは決して世界の終わりを意味するのではない。逆に、新たな時代への幕開け、世界は大転換を遂げ、各国は新たな流れを追いかけだしたと見るべきである。

ショルツ独首相は、プーチン大統領による突然のウクライナ侵攻の3日後、ドイツ連邦議会で、この侵攻に対してドイツ政府の固い決意をもった演説を行った。彼はこの演説のタイトルに「Zeitenwende」という言葉を使い、新たな時代へのステップの大事さを説いた。「Zeitenwende」というドイツ語は本来西暦を意味する。つまりキリスト生誕のそれまでの時代とは違う「新たな時代の到来」を意味している。  また、ドイツ国民はこの言葉を受け入れ、2022年のドイツ語協会が選んだドイツの言葉は「Zeitenwende」となった。

日本では、まだこの見方は多くでていないが、米中あるいはEUのソートリーダーたちの間では、このような見方が主流になり、これらの考え方の もとに、これらの国々の政策立案者は「大戦略」をたてつつある。「大戦略」は、私たちが想像できないほど途方なものではない。それどころか、これまで私たちの歴史の中で目覚ましい成果を上げておきながら、その成果がもたらす繁栄の中でその重要性の多くを看過してきたのが「サイエンス(いわゆる科学技術、先端技術、あるいはイノベーションのエコシステム作りを含む)」である。これらの国では、次の時代における繁栄を確実にするために、サイエンスを地政学の中核に置きだした。

このサイエンスについての世界の大戦略、また日本の大戦略について共に考え、未来につなげていきたいと考えている。この大戦略について発信していきますのでご関心の程。

注:「大戦略」は、時々の戦略というだけではなく、国をあげてそれも超長期での人づくり、国づくりを指している。

<2020年12月>

デジタル新時代が到来した。新型コロナウイルス(COVIT-19)感染拡大によるパンデミック(世界的大流行)という予想外 の出来事を契機に、世界ではデジタルトランスフォーメーション(DX)による新時代への急激な変化がおきている。COVIT-19への対応は喫緊の課題であり、日本経済の復活のための様々なデジタル化への力強い動きは機を得たものである。しかし、これだけでは不十分。デジタルトランスフォーメーション(DX) は「未来」であるととらえ、日本の新時代への戦略作りが必須となる。
そのためには、地政学的に世界の科学技術やイノベーションの動きを検証し、それに基づいて日本の戦略を構築する必要がある。
デジタル新時代は、単に夢の時代というだけではなく、多くの危険と不安も伴う。しかし、新時代での繁栄が世界の歴史を作ることは間違いないであろう。そして、これは“日本の若返り戦略“でもあると考えている。
現在、武田アンド・アソシエイツは若手の人づくり(日本の戦略を考える交流の場、勉強会等を主催)に腐心しているが、デジタルテクノロジーの研究者のみならず、幅広く政治、経済、教育、ビジネス、ベンチャー等に関わる人たちとの連携を広げて行きたいと考えている。
2020年12月