本の内容紹介について

率直に言って私は本を多産する能力はなく、私の本分は行動で示すこと、実学にあると考えています。
36年前に「崩壊するエネルギー文明」を出版した後、何冊か潮目が変わる時の人づくり、産学連携や政学連携の重要さを訴え、本を出してきました。
これまで、「答えのない時代をどう生きるか」(ごま書房1980年)、「エントロピーからの発想」(講談社現代新書1983年)、「デミングの組織論」(東洋経済新報社2002年)、「産学連携からの人づくり」(編著 東洋経済新報社2007年)、「フロニーモスたち(心を研ぐ)」(宣伝会議2009年)」、「心を研ぐ」(編著 宣伝会議2009年)を出版しています。
絶版となっているものもありますが、ご参考までに内容を紹介します。

「崩壊するエネルギー文明:36年目のリビジット(再点検)」(2011年11月宣伝会議から出版発売)、『フロニーモスたち(心を研ぐ)』(2009年1月宣伝会議より発売中) 、『デミングの組織論-「関係知」時代の幕開け』(東洋経済新報社 2002年)については、上記の「メニュー項目」に詳細を別途載せていますのでお読みください。

主な著書(日本)

崩壊するエネルギー文明 『崩壊するエネルギー文明:再点検(リビジット)』
―有限な地球でどう生きるか(三六年目の点検)
武田修三郎(著)
(2011年11月宣伝会議より発売中)
小林栄三、小枝至の推薦文
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この本のオリジナルは、36年前に私が34才の時にだしたものです。
当時、私はうっすらとですが時代の潮目が存在することに気づき、これを「無限から有限へ」と考えました。
それまでの「無限の石油」を前提とした時代は去り、「有限」を前提とした時代への変化があると。

当時誰もが石油は無限で、ただ同然だとした。
これは、原子力もそうで、原子力には原発の核分裂だけでなく核融合がありますが、誰もがすぐ原子力の時代が来ると考えていた。
風力や太陽エネルギーもそうで、無尽蔵で無公害だと。
これらはまだコストは高いが、何れ、科学技術の発達で解決できると考えていた。
ただ、私はそうではなく、これらは石炭や石油と同じように公害をだす、コストも高い。
科学技術の発達によりできるとしても、それで解決できるのは限界がある、と。

ボールディングが指摘した通り、宇宙船地球号という前提で人口、環境、資源問題を考えなければならない、
そうでないと進んでも進んでも、進まないトレッドミル地獄に陥る、と(今回の本の表紙にはその象徴としてトレッドミルを使いました)。
実は世界の識人たちも、例えば、ベルは「脱産業化」、トフラーは「情報化の波」、ガルブレイスは「不確実性」とこの潮目を表現しました。
また、近年では「知識化社会」、「スマート化」、「グローバリゼーション」という言い方もされています。
喩え方は違っても、決して違ったものを見たのではなく、これを表現していったと考えています。

この潮目は決して消え去ることはなかった。逆に1980年代末のベルリンの壁崩壊後には急に近づき、世界を巻き込みだしています。
この後、経済は世界規模へ拡大と同時に不安定化し、世界での環境問題の顕在化、資源や領土を巡る対立が目立ちだしました。
これを世界の先行きが見えなくなったとするか、新たな世界の流れが始まったとするべきかは、時代観を有していたかどうかで決まります。

私は、時代は決して不動ではなく、大陸も時に動くように、時代は時として変わる、という時代観を持っています。
既に述べましたように、来るべき時代の本質は「世界はフラット」、つまり“人間の能力は国による差はなく基本的には同じ”にある。
これまでの欧米や日本が主役の民主制から、世界のあらゆるものが主役の民主制へのシフトとも言えます。
問題は、日本でこの本質が十分に理解されていないことにあります。
いつの時代にも時代錯誤は、没落を伴います。
例えば、日本はそれまでの高度成長から一転し、長期にわたる経済低迷、政治不信、そしてついには社会的先行不安を抱える状況に陥っています。
それは、今年3月の東北大震災の津波、そして福島原発事故による放射能問題がエネルギー問題、原子力発電の是非といった問題をもたらし、
一層の混沌化の中にあります。

私は、この日本が再生の道を歩むためにも、36年前に私が気づいた潮目が現実のものになっていることを
多くの人に気づいてもらう必要があると確信しリメイクのうえ出版することを決意しました。
36年は長く、本来なら大幅に手直しをすべきなのですが(例えば、当時世界の人口は38億人、2011年10月には70億人突破)、
手直しを最小限にとどめ、その代わりに再生への道は育人研心(心を研ぎ、新しい時代で活躍する人財を育む)
しかないという部分を加筆しました(より本格的な育人・研心論は、現在まとめており、後日、本の形でお読み頂こうと考えています)。
有り難いことに、既にメールや手紙で『36年前の本なので古いと思っていたが、驚くほどの新鮮さを感じた』、『これほど明確にシグモイド曲線を使って、
さまざなエネルギーや資源の限界性の問題を「結論から」論じている著作はないのではないか』、
『大きな意味で技術から見た文明史を感じた』という感想を送ってくださっています。
また、アマゾン書評にも『日本の全ての人に読んでもらいたい』といった過分な推奨も頂いたことをフェースブックで知りました。
一人でも多くの方々に読んで頂き、少しでも日本の再生へのきっかけになれば幸甚に思います。

フロニーモスたち(心を研ぐ) 『フロニーモスたち(心を研ぐ)』
武田修三郎(著)
(2009年1月宣伝会議より発売中)
金澤一郎、丹羽宇一郎の推薦文
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どうして、世界の歴史の中で、一定の時と場所にフロニーモスな人たちがでたのか、その背景さがしというか、知的探訪が内容です。
古代ギリシアやローマ、そして中世のイスラム、またルネサンス以降の西欧、
あるいは明治の日本や第二次大戦後の“戦後という国”でも数多いフロニーモスたちがでて、国づくりに励んでいます。

これを書いた理由は、日本の再生の道は知の復活にある、その為には、どうしても一度知的なトリップを行う必要があると考え、
無謀にも哲学や人類の歴史といったものを見てみようと思い、この本をまとめました。
その作業を通じて見えてきたことは、フロニーモスたち(イノベーションを導く人)には共通した知性と言える一面がある。

それは理を持ってものの考え方をすること。そしてこの考え方は、天性のものではなく、ソクラテスを初めギリシア人が発明したもので、
教育により育まれるものだということを確信しました。また、江戸の日本人たちもこの思考を発明する一歩手前まで行っていた。
それが明治への起爆力となった。また、戦後という国では、この思考を大事にする風土がまだ残っていて、
それがデミングの偉大さを評価するフロニーモスたちにつながったのだ、と。

私は、脱ガラパゴス化のためには、技術や先端産業ではなく、まず心を研ぐ必要があると確信した次第です。
尚、フロニーモスとは、あくまで実学を大事にするということで、先端研究を行う学者や研究者をさすものではない。
それこそ人間は過ち多きもの、また自然は深いことを知り、世界のどの高等宗教も述べているように、「他を許す」ことが出来る人たちを指します。
間違いなく、このものの考え方は教育で到達できます。
上記以外に日本産学フォーラム事務局長を17年余りつとめさせて頂いている時にまとめた本が何冊かあります。
これも産学連携、人作り、教育という面でお役に立つかと思います。

心を研ぐ力 『心を研ぐ力』
武田修三郎+日本産学フォーラム(編著) 豊田章一郎(監修)
(2009年3月宣伝会議より発売中)
宣伝会議の推薦文
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産学連携から人づくりへ 『産学連携から人づくりへ』
豊田章一郎、近藤次郎、吉川弘之(監修)
武田修三郎、日本産学フォーラム(編著)
(東洋経済新報社 2007年)
デミングの組織論-「関係知」時代の幕開け 『デミングの組織論-「関係知」時代の幕開け』
武田修三郎(著) (東洋経済新報社 2002年)

京都大学松本総長推薦 平成22年1月14日朝日新聞記事PDF

私は、1980年代末に、アメリカでの大学に戻りました。
当時東海大学の先生をやっている時に、サバティカル制(アメリカの大学でとられている何年か教えれば一年間は大学を離れ、
勉強できる制度に準じたもの)があり、それを利用しました。
その一方、当時、私は大学人としての生き方に何かおかしいと思い続けており、新たな学習の機会が真に欲しかったことがありました。
結局、その後東海大学を休職しコーネル大学のガバーメント(公共経営)学部に在籍、
またその後、ジョージワシントン大学のエリオットスクール(国際関係)で教え、
テネシー大学では(研究担当)副学長兼コンピュータサイエンス特別教授につきました。
この間に、各学部の優秀な教授だけでなく、コーネル大学ローズ学長、ジョージワシントン大学トラクテンバーグ学長、
そしてテネシー大学アレキサンダー学長といったアメリカを代表する学長の方々との出会いがありました。
(特に、トラクテンバーグ学長とは生涯の友人として付き合いをしており、またアレキサンダー学長もその後、
教育省長官を経て上院議員(共和党)につかれていますが、今も時々にお目にかかっています)。

その当時、アメリカでは学長と企業のトップがフォーラムを作っていることを知り、私自身もそのような場に出席しだした。
これがきっかけとなり、東海大学に復帰後、当時経団連会長をされていた平岩外四会長に、
日本にもこのようなフォーラムの必要性の話をさせて頂き、その後、日本産学フォーラム発足への動きとなりました。
さて、「デミングの組織論」のことですが、テネシー大学当時、
大学内外の人たちから品質管理やそれを戦後の日本に伝えたデミングについて多くの質問を受け、
この時初めて、品質管理とは何か、デミングがどのような考えをもっていたのか、また、この時の日本人たちは、
デミングの教えにどう反応したのか、日本が達成した高度成長との関係は、といったことを学びました。
デミングの概念の勉強は日本に帰ってからも続き、その全容がわかってくるにつれ、
戦後の日本の高度成長の理由がここにあったと考えだしました。

しかし、その後日本でガラパゴス化がおきたのは、デミングの概念の深さを知らず、これを単に道具や手段として受けとめだしたことにある、と。
このことについて、3年前に私は興味ある経験をしました。私の知人にノキアの女性幹部がいて、当時のノキアは飛ぶ鳥を落とす勢いだったのですが
彼女から、トヨタの関係者を紹介してくれないかと言う話でした。
彼女はノキアで品質管理を担当し、更にトヨタから学びたいというので、
私はそれはデミングの考えをより深く学ぶべきだ、と話したところ、彼女は、
いやデミングの考えは概念だけで、トヨタはそれをちゃんと手段化した、だからトヨタとの接点を持ちたいと主張しました。
日本とフィンランドは共通点があるとよく言われますが、彼らもデミングの考えの深遠さに気づかなかったのか、と。
その時の私は、漠然とですがノキアの限界を感じました。
何れにしろ、私はデミングの概念を世界に先行して導入した日本人たちを20世紀にでた“フロニーモスたち”と考えました。
この考えは今も変わっていません。有り難いことに、京都大学の松本総長が拙著を知性を研ぐために必要な古典の中に入れて頂きました。
現在絶版となっていますが、武田アンド・アソシエイツにまだ20部ほどあり、ご注文いただければお送りします。

エントロピーからの発想 『エントロピーからの発想』
武田修三郎(著) (講談社現代新書 1983年)

この本を書くきっかけは、限界を超えるにはどのような「ものの考え方」があるのか、またそれをどうすれば育めるのか、にありました。
エントロピーの法則は、熱力学第二法則、あるいは熱平衡の法則と呼ばれる物理では大原則の法則とされるものです。
ただ、全てがこれに従う訳ではなく、現実の世界では、これを超えるものが数多くでています。生命現象、進化、あるいは、私たちの概念・思考もそうです。
これは、限界に抗して発展をし続けます。この事実をもとに、どのような発想が次の時代に必要なのかを書いたものです。

答えのない時代をいかに生きるか 『答えのない時代をいかに生きるか』
武田修三郎(著) (ゴマ書房 1980年)

この本では、潮目に気づいた後、これまでの明確な答えがあった時代から、その答えでは通用しない「答えのない時代」へのシフトが始まる、と考えました。
答えのない時代の為に何を用意するのか、と。

新たな生き方が必要になりますが、その為には、1.どのような時代がきたのか, 2.どのように考え、そして生き方を見つけてゆくべきなのか、について取りあげました。
限りある中で新たな生き方を見つめようとしたものです。稚拙な議論が多いのですが、今の時代でも通用する部分もある、と思っています。

崩壊するエネルギー文明 『崩壊するエネルギー文明』
武田修三郎(著)
(講談社 1975年)
土光元経団連会長の推薦文
来るべき世界の形を描く 『来るべき世界の形を描く』
吉川弘之(編著)
(共著日刊工業社 2001年)


主な著書(海外)

Industrial Ecology Industrial Ecology - US/Japan Perspectives
(1994 National Academy of Engineering)
International Task Force on Prevention of Nuclear Terrorism International Task Force on Prevention of Nuclear Terrorism
(Contribution,1986 The Nuclear Control Institute)
Preventing Nuclear Terrorism Preventing Nuclear Terrorism
(Contribution,1986 A Nuclear Control Institute Book)
Reinventing The Research University Reinventing The Research University
(Proceedings of a Symposium held at UCLA on June, 1994)
Creation and Detection of the Excited State Creation and Detection of the Excited State Vol.3
(1973, Mrcel Dekker, USA)