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メッセージ

最近のマスコミは、日本の大学力や研究力での国際競争力の急激な地位低下を伝えている。
これはこの数年、ここで警告してきたことでもあるが、特に、デジタル分野での遅れは致命的な状態である。
周回遅れと言う言葉があるが、それも3周、4周の遅れである。

日本の生命線といえるだけに、危機感をもつ人も多く出だしたが、実はデジタル時代の戦略と言えるものがまだでていない。
いや、すでに日本政府はデジタル経済をリードする政策をだし、企業のICT化を促進しているではないか・・
また、AIやIOTに関しても国家プロジェクトがスタートした、とする人もいるが、
残念ながら、これらは時々の遅れをカバーする対症的なものに過ぎず、戦略といえるものではない。
より明確に言えば、この波にのるためには、これらのやり方では全く通用しない。

この20年、世界の中で欧米だけでなく、近隣アジア諸国もこの波の存在を知り、それぞれの戦略作りをおこなってきた。
一方、日本では何の戦略も立てず、それこそ従来型の対症療法的政策の繰り返しであった。
デジタルの時代には性能がバイバイに上がり、コストはそれに反比例して下がると言う「ムーアの原則」が働く。
この20年の遅れは、通常時の100年の遅れに相当しかねない(一方、適切な戦略さえ立てれば、比較的短期に周回遅れを解消できる)。

ではどうすれば、この戦略を立てることができるのか。
それは、単に国をあげてのデジタル研究開発にあるのではなく、この波の本質を理解し、
自からこの波にのれる人づくり、そして、その場(エコシステム)づくりにある。
しかも、これは一握りの研究者・専門家づくりのことではない。
それこそ、老いも若きも、銀行家も教師、役人、そして弁護士、また家庭の主婦もデジタルリタラシイを有し、
デジタルエシック(終身・倫理というより、ギリシアの昔にもどっての習慣)を定着させることにある。

江戸には藩校という武士の子弟が学ぶ場があった。が同時に、寺子屋という町民や農民の子弟が学ぶ場もあった。
それも現下の小中学校の数に匹敵するほどで、彼らは読み書きそろばんと躾・徳を学んだ。
これらの場(エコシステム)の存在が19世紀に近代化の波が嵐となり襲った時、日本がアジアで唯一近代化を遂げることを可能にしたのである。

もちろん、デジタル時代の学は、読み書きそろばんだけでは不十分で、統計学やシステム論、また統計的思考やデザイン思考の会得が必要になる。
小中学校でやさしいマシンラーニング、ディープラーニング、データ分析学、サイバーセキュリティを学ぶ必要もあろう。
また、デジタルエシックも忘れてはならない。これは、かつての修身というより、グリット(やり遂げる心)や責任感、誠実な心、社会の透明性、
そしてトラスト(信頼)や互恵性の確立といったデジタルに適したものとなろう。同じ言葉でも、再点検が必要なのである。
武田アンド・アソシエイツでは、国際的経験、また研究だけでなくビジネスにも長けた研究者や有識者に集まってもらい、
より具体的な学の内容とその植え付け、そして適切なエシックについて再点検を始めようと思っている。
来年は、これらの結果を伝えることができればと思っている。


武田アンド・アソシエイツ設立理念

武田アンド・アソシエイツは、故平岩外四経団連名誉会長(日本産学フォーラム創立者)の示唆を受け、育人と研心を考える場として発足しました。

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